4章 撮影のきほん

(外注撮影)完成イメージを共有して、共通認識をもとう

POINT

  • 丸投げはNG!依頼主としての責任をもとう
  • スケジュールを共有して、手順を擦り合わせよう
  • イメージを見える化して、認識の差を埋めよう

来週は撮影ね~。もう準備はできたの?

はい!
今回はプロのカメラマンにお任せなので問題ありません!

ちょっと、何を言ってるの?しっかり情報を整理しないとカメラマンもどうしていいかわからないでしょ?

あわわ!今すぐ準備しま~す!

依頼主としての責任

プロのカメラマンに撮影依頼をするときの大前提として、皆さんは依頼主としてカメラマンへ的確に要望を伝えなければいけない立場にあるということです。

やってはいけないのは、プロのカメラマンが技術や知識において優れているからといって丸投げをすること。プロであってもコンセプトや現場での指示がなければ、撮影した写真が冊子の方向性と逸れてしまうことは十分にありえるのです。

冊子を制作しているのはあなた自身です。プロのカメラマンにお願いするときは、専門的な技術や知識を補ってもらっているという認識を持ち、なるべく多くのコミュニケーションを図りながら、共通認識を高めていきましょう。

撮影に向けて準備しておくこと

カメラマンには、目指している誌面の目的や意図に沿った撮影をしてもらいます。そのためには、どのような「コンセプト」や「構図」で撮影してほしいのかを的確に伝え、事前の情報共有をきちんとしておくことが大切です。

ここではカメラマンへ撮影をお願いする場合、どのような準備をしておくと良いのか、または何を伝えることで理想の誌面に近づけるのかについてお伝えします。


自分で行っておくこと

スケジュール表(香盤表)
スケジュールに沿った時間管理が、当日の出来を左右すると言っても過言ではありません。撮影がスムーズに行われるよう、必ずスケジュール表を作成しておきます。

いつ、どこで、何を、どんなふうに撮影するかをタイムテーブルで整理しておくと、進行工程がわかり撮影手順のイメージもつきやすくなるため、次の工程へと迷わず進められるようになります。
カメラマンも事前に撮影内容を確認できると、必要な機材の準備を把握できるため、合間の準備にかかる時間ロスなどを防ぐことができます。

★スケジュール表に記載しておくと良いもの
日程/タイムテーブル/撮影内容/対象者・対象物/場所/撮影カット/対象ページ など

撮影スケジュール イメージ

↓フォーマットをこちらからダウンロードできます。

撮影ラフ
撮影ラフとは、写真の構図や被写体のポーズなど完成イメージを大まかに見える形にしたものです。イメージを見える化した撮影ラフを用意しておくことで、撮影前に何が必要なのか、どのような状況をつくればよいのかなどを整理することができ、カメラマンへのイメージ共有もしやすくなります。

ロケハン
撮影本番前にロケハンを行い、撮影環境や構図について確認をしておきましょう。カメラマンと一緒に実施するのが理想的ですが、難しい場合は後日カメラマンへ共有できるように、スマートフォンなどで場所の撮影をしておくとよいでしょう。


カメラマンに共有すること

ここでは撮影前にカメラマンへ共有をしておくことについてまとめました。


●時間・場所
集合時間・場所、さらに撮影にかかる所要時間も確認しておきましょう。


●撮影当日の連絡先
交通機関のトラブルなど撮影当日に予期せぬことが起こるかもしれません。
オフィスでの撮影であればオフィスの連絡先を、工場や屋外など普段とは別の場所で撮影を行う場合は、社用携帯の連絡先などを伝えておきましょう。


●撮影スケジュール
当日の撮影内容と流れがわかるようにスケジュールを用意しておきましょう。


●企画概要/撮影概要
いつ、何を、どうやって、誰になど、企画の内容や読者に何を伝えたいかの目的を伝えましょう。それと同時に、誰の、どのような画像を撮影したいかについても共有します。


●誌面ラフ
誌面上で、画像がどのようなに掲載がされるかについて共有しておきましょう。


●撮影構図(撮影イメージ)
シーンや場所の様子がわかるような撮影ラフを用意しておきましょう。
複数人の撮影でポーズが必要な場合などは、事前にポーズ集をまとめておくと、当日のポーズをディレクションするときに役立ちます。


●納期・納品形式 
制作の進行状況を踏まえながら、撮影してもらった画像データを、いつまでに、どのような形式で納品してもらいたいかを確認して伝えましょう。


●社内報過去号
連載企画の撮影や、デザインのトーン&マナーを共有する際には、社内報の過去号があると便利です。




プロのカメラマンへ撮影を依頼する場合、重要なポイントは完成のイメージをいかに共有できるかです。
認識の違いが生まれないように、十分な事前準備と共有を行うようにしましょう。