1章 スケジュールのきほん

社内報制作の全体像(フロー・スケジュール)を把握しよう!

POINT

  • 編集会議には時間をかけよう
  • 忙しさのピークは、「入稿」前と「初校」の確認時

ついに社内報の制作が始まりますね!ワクワクします!

いい調子じゃない!じゃあまずは完成までの各工程を理解するところから始めましょう!

はい!社内報制作レッツスタート!

社内報制作の全体像を把握しよう。

社内報の制作をはじめる前に各工程でどんなことをするのか理解しておくと、完成までの全体像を把握できるようになります。社内報ができあがっていくまでの流れを見ていきましょう。

①情報収集 

まずは、情報集めからはじめます。それには、社員に役立つ情報として何が良いのかをさまざまな切り口で考えます。普段から周囲で新しい動きがないかを意識しましょう!


ラフ作成

誌面イメージを「見える化」します。後々、企画を詰めていく際や、素材の抜け漏れがないかなどにも役立てることができます


編集会議(企画・台割決め、役割決め)

持ち寄った案をメンバーで詰めていきます。 どのような号にしたいかテーマを定め、社員に役立つ情報として何が必要か企画を立て、台割に落とし込んでいきます。取材の有無や各ページのデザインの方向性についても共有しておきましょう。 企画が決まったら、メンバーの役割(候補者の調整、ページごとに担当を持つなど)も決めておくとよいでしょう 。 編集会議は社内報の完成度を左右する大切な時間。制作をはじめる前に、毎回開催することをおすすめします。


スケジュール作成/予算の把握

企画・台割が決まったら、社内報の発行日から逆算した全体スケジュールを作成します。取材や撮影など関わる人数の多い企画は、確認作業にも時間がかかるので、スケジュールの前半に組めると安心です。ページ数にもよりますが、校正には3週間~1カ月、印刷から納品までは約1週間かかります。 外部の制作会社に依頼する場合は、スケジュールの共有と一緒に、この時点で費用感を算出してもらいましょう。


素材集め

原稿や写真など必要な素材を集めていきます。
だれかに寄稿をお願いする場合は以下のような流れで進めていきます。

Ⅰ 依頼者の選定
Ⅱ 依頼をする
Ⅲ 寄稿の回収と確認


取材・撮影

特集などの目玉企画では取材記事を掲載し、リアルな声を届けるとよいでしょう。
取材は、以下のような流れで進めていきます。

Ⅰ 取材対象者の選定
Ⅱ 依頼をする/カメラマン・ライターの手配
Ⅲ 撮影場所の選定と確保(ロケハン)
Ⅳ 取材本番
Ⅴ テープ起こし、原稿作成
Ⅵ 原稿・写真の確認


デザイン制作

集めた素材を元に、デザインを行います。外部の制作会社に依頼する場合は、集めた素材を五月雨式に送るのではなく、コーナーごとにまとめて送付すると、原稿送付モレなどを防ぎ、円滑に進めていくことができます。誌面の目的や作成したラフレイアウトを共有してあげるとよいでしょう。

<デザイン制作にかかる時間(目安)>
・入稿から初校アップ(1週間程度)
・初校の確認(1週間程度)
 初校を受け取ったらデザインがイメージしたものになっているか、内容に誤りがないかなどの校正作業を行います。
・再校以降(3~5日程度ずつ)
 基本的に赤字の修正が反映されているかの確認を行います。三校までに終了できると理想的です。企画意図が反映されているか、内容に誤りなく読みやすいものになっているかなどを意識して、誌面の精度を高めていきます。

色校正

色が問題なく表現されているかを確認します。
たとえば、人物の顔色が暗すぎたり赤すぎたりしていないでしょうか。

※スケジュールや予算の都合で、この工程は省略できます。


⑨校了

修正や差し替えのない完成した状態となっていれば、確認作業は終了です。
この状態を「校了」といいます。この後は、印刷工程へ移ります。


印刷・製本(外部の印刷会社で行う場合)

印刷会社に制作データを渡して、印刷・製本の作業を行います。
あとは完成を楽しみに待ちましょう。


完成

ついに社内報が完成です!頑張って作成した冊子を配布しましょう!!
制作にかかわった方たちへの御礼も忘れずに。

進行管理には、メリハリを!

社内報の担当者は、自分の作業だけでなく社内・社外の関係者と調整しながら、期日に注意して進めていく必要があります。社内報の制作は、確認作業などで忙しい期間とそうでない期間があるので、中間目標を設定して、メリハリをつけるとよいでしょう。

一般的に社内報の担当者が忙しさのピークを迎えるのは最初の「入稿」前と「初校」の確認時です。スケジュールにメリハリをつけることで、作業量と自分自身の心に余裕をもたせながら、理想の社内報へ向けて着実なペースで進めていきましょう!