5章 原稿執筆のきほん

原稿の寄稿を依頼するときのポイント3つ!

POINT

  • 寄稿をお願いする時は、目的や要望を明確に伝えよう。
  • 確認作業の要・不要や、確認期限は、曖昧にしない。

あの~、社長ぉ、社内報の、トップメッセージの原稿を、その~…

ん~?

ええ~と、あの、次号の巻頭、見開きで、その~…

ん~~?

寄稿を活用して、記事の質や、読者の参加意識をアップ!

社内報の原稿を作るのって、時間も体力もかかる作業ですよね。
一冊の中に、特集も、連載企画も、事業の話もコミュニケーション企画もあります。それらを最新の情報で、正確な内容で、かつ読者を飽きさせない書き味で…と、一人ですべてカバーするのは、とてもじゃないけど、とっても大変。
そこで頼りになるのが、指定するテーマに基づき、社内の方に原稿を書いてもらう「寄稿」です。

会社のリーダーである社長に、激励のメッセージを伝えてもらう。
難しい用語や仕組みを、それを専門とする部署の方にわかりやすく解説してもらう。
仕事もプライベートも充実している社員に、両立の秘訣を伝授してもらう。
などなど、テーマと人選を工夫することで、記事の幅もクオリティも充実します。

また、さまざまな社員が社内報の執筆者となることで“参加している感”が増し、読者の興味や関心がアップするという効果もあります。

ここでは、寄稿を依頼する際の基本ポイントをご紹介します。
ぜひマスターして、誌面を充実させていきましょう。

誰に、なにを依頼する?

寄稿は、“原稿を寄せてもらう”ことですから、相手がいないとはじまりません。
トップメッセージなら社長、新入社員紹介なら新入社員、など、その人でないと書けない、成り立たない企画であれば相手は一択です。

では、“新製品の紹介”の記事を依頼する時は、誰に頼むのが良いでしょうか?

製品の特長や従来品との違い、開発の舞台裏であれば、開発担当。
製品の高いクオリティや量産技術についてであれば、製造担当。
あるいは、製品のマーケットや顧客のことであれば、営業担当。
同一の製品でも、執筆者によって視点や論点が異なるので、企画の趣旨をふまえた依頼先を選びましょう。

また、たとえば“たくさんの社員に登場してほしいコミュニケーション企画”といった場合、身近にいて頼みやすいからといって、自分の部門や本社の中だけで執筆者を選んでしまうと、偏った内容になってしまいますよね。

全相手が決まったら、さっそく依頼!国あるいは海外にも支社や営業所などがある場合、「このエリアから、〇人ずつ」と決めておき、さまざまな業種・拠点の社員がバランスよく登場できるよう工夫しましょう。

「目的」「要素」「期日」を伝えよう

相手が決まったら、さっそく依頼!
…ですが、依頼のしかたにも注意が必要です。
「こんな記事を書いてほしい」という意図が不明瞭だったために、期待と異なる内容で仕上がってしまったり、
期日を曖昧にしたまま進めたせいで、ぎりぎりになって催促しなければいけなくなったり…
そういったトラブルを避けるには、あらかじめ、必要なことをきちんと伝えることが重要です。

寄稿を依頼する際は、下記の点に注意しましょう。

なんのために書く? 記事の「目的」

依頼するのが、企画の一部分だけだったとしても、社内報自体の発行目的やターゲット読者、あるいは「これを読んで何を感じてほしいか?」という読後感は、執筆者である相手に共有しておくことが大切です。
誰に向けて何を伝えるかで、文章のテンション感や難易度も変わってきます。

たとえば“新製品の紹介”を、若手の社員に向けて、基本をしっかり伝えたい、と依頼します。
すると執筆者は、難しい技術的な話より、製品の効果や特徴をわかりやすく説明することを意識してくれるでしょう。

これは外せない、必須の「要素」

必ずこの話題に触れてほしい、という必須のものがあれば、必ず伝えましょう。

たとえば“営業所紹介”の記事を、その営業所の所長に依頼したとします。
まったくの自由記述であれば、この所長さんが売り出したいと注目している製品や、営業所内の集客の取り組みなどを書いてくれるかもしれません。

でも、原稿が上がってきたあとで
「会議で発表する事業報告みたいになっちゃった。もっと、営業所の人や雰囲気がわかる、やわらかい内容がよかったな…」
なんて思っても、後から書き直してもらうことは難しいですよね。

この場合は
・営業所の独自の取り組み
・今後の目標
・職場の雰囲気
・営業所の名物社員
など、触れてほしい要素を挙げ、項目ごとに執筆してもらうのがよいでしょう。

原稿の確認、校了までコントロール「期日」

忙しい相手に、締め切りを設けるのは、なかなか言い出しづらいでしょうか?
ですが「じゃ~2、3週間くらいで!」と曖昧なままにしておく方が、予定が立てられず困ったり、無駄に焦ってしまうことにもなります。厳密な期限が不明なので、重要度が低くなり、後回しにされてしまう…なんて可能性も。
キッチリ決めておく、というのが、お互いにとって負担の少ない方法なのです。

これら「目的」「要素」「期日」や、文字数の指定を1枚のシートにまとめた「寄稿依頼シート」を活用するのもとても便利です。
本サイトのダウンロードコンテンツにも、寄稿依頼に役立つフォーマットをいろいろご用意しています。
ぜひ使ってみてくださいね!