8章 校正のきほん

間違いや見落としを防ぐ、正しい校正記号の書き方

社内報のきほん 間違いや見落としを防ぐ、正しい校正記号の書き方

POINT

  • 校正記号はJIS規格の印刷校正記号で決められている
  • よく使う校正記号の書き方を知る
  • 校正モレや修正モレを減らすには相手への思いやりが大切

~ とある再校確認中 ~

あれ?ここ修正指示入れたはずなのに、直ってない…
もー、みんなちゃんとやってくれなきゃ困るよー!

その修正指示、ちゃんと正しく書いてるの?校正記号とか使ったりして、相手に伝わりやすく書いてる?

え?校正記号ってなんですか?

1.校正記号とは?

元原稿とデザインレイアウトされた校正紙の照合を行う作業のことを「校正」といいます。
そこで使われる修正指示を書く記号を「校正記号」といいます。
「印刷校正記号」はJIS規格で定められており、日本全国で広く使われています。

修正指示を書くとき、自己流で書いてしまうと

・意図した指示通りに直ってこない
・修正されていない箇所がある
・後から問い合わせの連絡が入って手間が増える

など、抜け漏れミスや手間が増える原因になります。

この校正記号の書き方を覚えることで、校正上のミスを減らし、効率よく社内報制作を進められるようになりましょう。

2. 校正記号の書き方<良い例と悪い例>

校正記号 良い例悪い例

押さえておきたい校正の基本ルール

原寸でプリントしたものに書き込もう
校正作業は文字内容だけでなく、配置やサイズ感も確認します。実際のサイズでどう見えるか確認することが大切です。そのため校正記号は、実寸でプリントしたものに書き込むようにしましょう。


修正指示は「赤色」で書こう(だから赤字っていうんだよ!)
JIS規格の「印刷校正記号」では指示を赤色で記入することが定められています。しかし、赤色では紛らわしい場合は、他の色を使用しても問題ありません。


疑問出しは鉛筆で書く→確認後、正式な指示として「赤色」で書くか、消す
社内の複数人で確認するときや、後から確認する備忘録としてメモするときは鉛筆で書き込みます。確認後には、修正作業する人が直すのか?直さなくてよいのか?迷わないよう、赤字にするか消しておきましょう。


赤字は該当部分から線を引っ張り、余白に記入しよう
原稿の上に校正記号をかぶせたり行間の細い隙間に記入すると、気が付きにくいので余白に目立つように記入しましょう。

3.社内報制作でよく使う校正記号10選

3.1 文字を修正する

校正記号「文字の修正」

3.2 文字を削除しその部分を詰める

校正記号「トル・トルツメ」文字を削除しその部分を詰める

3.3 文字や記号を挿入する

校正記号「文字や記号を挿入する」

3.4 文字・記号を入れ替える

校正記号「文字・記号を入れ替える」

3.5 修正指示を取り消す

校正記号 イキ 修正指示を取り消す

3.6 文字の位置を上げる・下げる

校正記号 文字の位置を上げる・下げる

3.7 改行する

校正記号 改行する

3.8 行を続ける(改行を取り消す)

校正記号 行を続ける(改行を取り消す)

3.9 文字の間に全角・半角を空ける

校正記号 文字の間に全角・半角を空ける

3.10 文字を小さく(下付き)・大きくする

校正記号 文字を小さく(下付き)・大きくする

この他の校正記号については、こちらの 社内報で使う校正記号 ページをご覧ください。

4. デザイナーの修正ミスや修正モレを減らす工夫

4.1 赤字に番号を振る

書いた赤字(修正指示)に通し番号を振ることで、修正を行うデザイナーが確認しやすくなります。
また、次の校正が上がってきたとき、自分もチェックしやすくなります。

4.2 ページ単位で赤字の有無がわかるように

ページ数の多い社内報の場合、赤字のあるページに付箋を貼ったり、余白の同じ場所に「修正あり」「修正なし」を記入するなど、赤字のあるページ・ないページがわかるように工夫しましょう。

4.3 説明の時間を設ける

修正指示を記載した原稿をデザイナーに渡すときには、赤字内容の説明をしっかり行いましょう。メールやデータで送る場合には、電話で説明することも大切です。

4.4 「相手に伝わるか?」視点で見直そう

赤字を書き終えたら、少し時間を空けてから問題がないか見直すとよいでしょう。
また、校正記号を使う目的は、誰に対しても同じ内容が伝わり、校正時の間違いや見落としを少なくするため。そして、ミスや 手間を減らして制作を進めるためです。
正しい書き方をしたとしても、雑に書いたり赤字の文字が読めなかったりしたら意味がありませんので丁寧に記入しましょう。

「この書き方で、相手のデザイナーに伝わるかな?読みやすいかな?迷わないかな?」

このような思いやりの気持ちを持って、校正を行いましょう。