5章 原稿執筆のきほん

自社専用の表記ルール表を作成&活用しよう

自社専用の表記ルール表を作成&活用しよう

POINT

  • 表記ルール表には、3つのメリットがある
  • 普段の業務でストックしたり、書籍を参考にしたりして
    自社オリジナルのルール表を作ろう

みんなに依頼していた原稿が集まった! どれどれ…

私、僕、俺、それがし、小生、拙者…?
書き方がばらばらだなあ。
でも、ひとつずつ直すのは大変だし、 どれに統一すればいいかもわからないし…

よし、諦めよう!

諦めるな~! こないだ表記ルール表渡したでしょ!

表記ルール表は何のため? メリット3つ!

表記ルール表とは、複数の書き方がある同じ意味の言葉や、送り仮名、漢字orひらがな、カタカナ語などについて
「この媒体は、これを使います」
という“書き方の決めごと”をまとめたもの。
たとえば、下記のようなかんじ。

なんだか、めんどうくさそうな…。
でも、この一覧表があるだけで、次のようなメリットがあります。

メリットその1:読みやすい原稿が作れる。
さまざまな表記が混ざっている記事って、けっこう読みづらいんです。
いろんな人の寄稿が集まる社内報ではなおさら。各人各様のルールで原稿を書いてしまうので、統一感がなく、どことなくザワザワした仕上がりに。 基準を決めて統一すると、まとまりが出て読みやすくなります。

メリットその2:編集メンバーの負担軽減。
集まった原稿を入稿して、デザインが上がってきて、文字を校正して…いたら、あっちにもこっちにもバラバラな表記を発見! というのは、よくあること。
直すにしても、そもそもどれに統一するのかという基準がない。
前号を引っ張り出してきて調べたり、編集メンバー全員に確認をとったり…
それを毎回やるのは、かなり大変ですよね。

メリットその3:ミスを防ぐ。
ルール表の存在は、統一してきれいな文章にするだけではなく、誤字・脱字のチェックにもつながります。
また、企業によっては「この言葉は、この媒体に使ってはいけません」という、推奨より厳しい禁止項目として明記していることもあります。

社内報の編集メンバーは、入れ替わりが比較的多いといわれます。
若手の新入社員が抜擢されることもしばしばです。
共通ルールを継承することによって、個人の経験や知識に依存しない、正確な原稿をつくることができます。

“よく使うことば”のストックから始めよう

読みやすくなり、負担が減り、ミスも防げる、一石三鳥の表記ルール表。
オリジナルで作成する場合は、自社の社内報によく登場することばをストックしていくことから始めましょう。
表記が複数以上ある文言に出会ったら、Excelなどにメモ。
採用する表記を決めておきます。
ある程度溜まったら、あいうえお順に整理して、表のかたちにします。

悩むときは、書籍を参考に

自分ひとりでルールをつくるのは難しいこと。
悩むときは、市販されている書籍を参考にしましょう。
世の中のメディア、特にテレビ、新聞、雑誌は公共性が高く影響力も強いため、報道に適した細かな表記ルールが決められています。

検索しやすい辞書のような形態で、固有名詞や地名・人名もカバーされているものも発行されています。
記者やライター向けですが、社内報制作のシーンでも大活躍。
ぜひ手元に一冊置いてみては。

運用のしかた

表記ルールはExcelやWordで一覧表にしておくのが一般的。
共有サーバーなどを活用して、編集メンバーが誰でも閲覧できるようにしましょう。

ことばは生き物ですから、運用を続けていると
「これも決めておいた方がいいな」
「やっぱりこっちの方がいいな」
と、追加・改定する必要が出てきます。
更新した日付は必ず残し、古いものは廃棄するなど、常に最新の情報を使えるように管理し、クオリティの高い原稿制作に活用していきましょう。

自社用をつくる暇がない方へ

自分で作るのはちょっと大変・・・という方は当サイトの「調べる>表記統一リスト」をご活用ください!

https://shanaiho.glassy-co.jp/research/?research_category=unifyterm

表記統一リスト