6章 イラストのきほん

イラストの使い方のきほんを知ろう

POINT

  • イラストには、用途や作り方によってさまざまな種類がある
  • イラストを効果的に使うためのポイントは
    タッチ・配置場所・大きさ

みてくださーい!
にぎやかにしたくて、イラストいっぱい載せました

1つ1つはいいけど、タッチがバラバラだし、
あまり関係ないものもありそうね

素敵だと思ったんですけど…

これだとかえってごちゃごちゃして、読みにくいわよ~

イラスト、うまく使えていますか?

難しい内容を親しみやすく表現したり、文字の多い読み物に華やかさを添えたり。
イラストはとても便利なので、ついついたくさん使いたくなってしまいます。
でも、冒頭のやりとりのようなこと、していませんか?
やみくもに使うと逆効果になってしまいます。

では、効果的な使い方とはどんなものなのでしょうか?
ここでは、“種類”と“活用”の2軸で、イラストの基本をご紹介します。

こんなにある!イラストの種類

ひとくちに「イラスト」といっても、手法や用途によってさまざまな種類があります。
代表的なものをご紹介します。

●さし絵

社内報でイラストを使いたいとき、もっとも頻度高くお世話になるものだと思います。
主に文章に添えて、イメージを補完する役割を担います。
文章に登場するモノが直接描かれることも、抽象された表現が選ばれることもあります。

●図解

図で情報を伝える方法です。
文章だけではどうしても理解しにくい情報を、わかりやすく表現することができます。

●マップ

営業所紹介やスポット紹介で、地図を入れたい場合も多いのではないでしょうか。
オリジナルで作成する場合、特徴的な建造物やスポットを目立たせたり、おすすめのルートを引いたりと、意図したマップをつくることができます。

●似顔絵

写真と比べ、似顔絵は本人の特徴をとらえながら親しみやすく表現できます。
たとえば社長や役員の方などを似顔絵にすることで、紙面にやわらかさやあたたかみを出すことができます。

●アイコン

対象のかたちを簡略化し、色もシンプルにした小ぶりなイラストを、特にアイコンと呼びます。
複数のアイコンを用意してジャンル分けの目印にしたり、図解やマップと組み合わせて使ったりする場合もあります。

●キャラクター

人物や動物などをモチーフにしたイラストです。
オリジナルキャラクターを開発するときは、基本のコンセプト、見た目や性格などを決めておき、用途に合わせて動きや表情を展開するのが一般的です。

●ロゴマーク

企業や製品のロゴマークも、イラストの一種です。
たとえば“光”“環境”といった関連イメージや、イメージを想起させる色を使ってつくるもので、キャラクター同様にオリジナリティが必要です。
世の中にすでにあるロゴマークに似ないよう配慮することも必要です。

ポイントは3つ! イラストの効果的な使い方

使いたいイラストの種類が決まったら、それを効果的に活用するために
次の3つのポイントを押さえておきましょう。

●タッチ

タッチとは、筆づかい、技法といった意味の言葉です。
似顔絵を例にとると、実物に寄せたリアルなタッチ、鉛筆でさっとスケッチしたようなラフなタッチ、丸と三角の図形で作ったようなデフォルメしたタッチなど、どれを選ぶかによって、人物の雰囲気が変わります。
また、たとえば正確な情報を求められる製品の図解イラストが、手描き風のゆるやかなタッチで描かれていたら困りますよね。
ターゲットが誰なのか、どんなふうに伝えたいのかを前提に選ぶとよいでしょう。
また、複数の異なるタッチのイラストを何枚も載せることは、ページ全体の方向性をあいまいにしてしまうので避けましょう。

●配置場所

ページ全体を象徴するイラストであれば、タイトルや、文章のスタート位置の近くに。
本文の特定の内容に添えるものであれば、対応した場所に配置しましょう。
いずれにしても、ページ全体の原稿ボリュームや要素のレイアウトと密接に結びついているので、ラフや原稿作成の時点でイラストの存在を想定できているのがベストです。

●大きさ

大まかにいうと、読者は、大きさ=重要度として捉えています。
絶対に目を通してほしいイラストがとっても小さかったら、「大事な情報じゃないから、見なくてもいいんだな」とスルーされかねません。
逆に、スペースが余ったからといって補足で載せたマップを拡大しすぎて、読むべき本文を圧倒しては本末転倒です。
文章や写真などを含めた誌面全体を考慮して、イラストのサイズ感を決めましょう。

普段なんとなく目にしたり、選んだりしているイラスト素材。
社内報以外のメディアにもあふれている身近な表現ですが、以上のような基本の知識を持っておくと「このイラストは、これを狙って、こんなふうに描いたんだな!」と一歩踏み込んだ視点が身につきますよ。

ぜひ使い方のポイントをおさえて、120%活用を目指しましょう!