11章 リニューアル・創刊

「紙」と「Web」どちらの社内報を選べばいい?

POINT

  • 社内報の2大媒体「紙の社内報」と「Web社内報」
  • 媒体には、それぞれメリット、デメリットがある
  • 社内報を読む「読者」に適した媒体を選ぼう

社内報といえば、紙の社内報がイチバンですよね~

あら、そうとも限らないわよ。Web社内報であればすぐに情報を公開できるし。
どうして紙の社内報にこだわるの?

だって、この前の取材むちゃくちゃ大変だったんだもん。
ドドーンと20ページくらいの特集組んで、絶対全員に読んでもらわなくちゃ。

成長したと思ったけど、相変わらずね(笑)

世の中の流れにあわせて「社内報」も変化する

皆さんは、日本で最初に「社内報」が発行されたのがいつ頃かご存じでしょうか。

今から約100年以上前の1902年~1903年といわれています。

この頃の日本といえば、明治時代の産業革命真っただ中。

急速に近代化が進み、さまざまなインフラ整備が行われ、人々の生活は大きく変わっていきました。それにともない、賃金や労働時間に関する問題など、働く人の課題も増えていたころでもあったようです。そのような中で「社内報」は誕生しました。

その後、「社内報」の転機となったのが、1995年頃。

社内のあらゆる手続きが「紙」中心だったところから、IT化が一気に進みました。情報化社会とかペーパーレス化がキーワードで、デジタルメディアで社内の情報を共有することがコスト削減につながると期待され、いわゆる“社内イントラ”などが登場してきました。

その後、リーマン・ショックによる世界的な金融危機(2008年)、東日本大震災(2011年)などを背景に資源やコスト削減の対象として紙の「社内報」を発行中止にする企業が出てきたり、スマートフォンの普及によるSNS利用率の拡大、新型コロナウイルスの影響もありデジタル化へと進んでいきます。「Web社内報」のアプリ化や「動画社内報」の検討が進むなど、「社内報」はつねに進化しています。

「社内報」は時代とともに歩んできました。100年以上の時を超えてもなお存在しつづけるのは、時代が移り、状況が変化しても、働く「人」と、「組織」の間にあるコミュニケーション課題を解決するための有効なツールであるからなのでしょう。

現在も主流の「紙の社内報」

「社内報」とひとことでいっても、発行媒体(メディア)は企業によって異なります。

まず頭に浮かぶのは、現在も主流の「紙媒体」ではないでしょうか。

紙媒体の「社内報」、その大きな特性としては、情報を届けたい相手に向けて能動的に発信できる「プッシュ型媒体」ということが挙げられます。社員は受動的に情報を受け取れるため、自分から情報を探しに行く手間が省けます。

一方、紙媒体は制作期間が長く、発行までに時間がかかることから、リアルタイムな発信はできません。伝えたい情報をすぐに発信できない点は、紙媒体の苦手な点といえるでしょう。

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