社内報制作を「内製」する?「外注」する?

POINT
- 社内報の制作は、「内製」と「外注」という方法がある
- 「内製」は、コストを抑えられることが大きなメリット
- 「外注」は、社内報の質(クオリティ)を担保できる

コスト削減で、社内報の制作を内製するように言われました

そうなると、カギを握るのはアナタの実力ということね

自分じゃムリだー!社内に知り合い増やしておくんだった

わたしの人脈10,000人が、役に立つ時がきたようね
社内報の制作には、「内製」と「外注」の方法がある
社内報の制作には企画、撮影、取材・執筆、デザイン、印刷などいろいろな工程が含まれます。
これらの一部またはすべての工程を社内の編集メンバーで実施する方法を「内製」といいます。反対に、社内報専門の制作会社やデザイン会社、印刷会社などの外部に、一部またはすべての工程を委託する方法を「外注」といいます。
「内製」と「外注」にはそれぞれメリット、デメリットがありますので、一概にどちらがよいということはありません。企業の状況に応じて選択しましょう。
社内報を「内製」するメリット、デメリット
<メリット>
〇費用を抑えられる
社内報を「内製」する大きなメリットといえるでしょう。
社内報の制作にはさまざまな費用がかかります。たとえば
企画費・・・毎号掲載する企画を立案する
撮影費・・・企画にあわせた撮影を行う
取材費・・・取材対象者から目的にそった話を引き出す
ライティング費・・・対象者の想いを言葉にまとめる
デザイン費・・・読者の興味を引き、わかりやすく伝えるレイアウトを考える
イラスト費・・・親しみやすく伝える
など
上記を外注すると工程ごとに費用がかかりますが、社内の編集メンバーで実施できれば、大幅にそれらを抑えることができます。すべての工程を内製するのは難しそう…という場合には、「撮影だけ外注する」「デザインだけ外注する」など、自分たちに自信のない工程だけ外注する方法もあります。
〇見えない外部コストを抑えられる
社内報を外注する場合には、外注先との会議や打ち合わせが発生します。たとえば、各号の編集会議、撮影・取材の打ち合わせ、デザイントーン決めなど。その都度、外注先とのスケジュールを調整したり、会議室を押さえたり(最近だとオンラインミーティングを設定したり)、企画趣旨を説明するための資料を準備したり、意外と細々とした小さな作業が発生するものです。
内製すれば、それらをカットすることができます。また、外注先からデザインが出来上がるまでの制作期間を省くこともできます。
〇専門スキルのノウハウが社内に増える
撮影や取材・執筆、デザインなど専門スキルを身につけることができれば、他の業務にも応用できます。社内報の制作をきっかけに、自分の得意分野をつくってみてはいかがでしょうか。
<デメリット>
〇社内のリソース(人材、時間、資源など)が必要になる
撮影、取材、デザインまで社内報の制作にはさまざまな工程があるので、社内の編集メンバーで分担して作業を行うとして、ある程度の人数が必要となります。多くの社内報担当者は他業務を兼務しているため、社内報制作にかけられる時間に限りがあり、業務負担が大きくなります。
また、多くの経験を積み、専門的な知識・スキルを習得するまでに時間がかかります。さらに本格的な社内報を制作したい場合、カメラ機材、デザインをするためのDTPソフト(たとえば、illustratorやPhotoshopなど)なども必要になり、資材購入費がかかります。内製では制作自体にかかる費用は削減できますが、社内のリソース(人材、時間、資源など)を使っている=見えない費用が発生していることを忘れないでおきましょう。
〇社内報の質(クオリティ)が保証されない
社内報は、読者である社員に読んでもらい、理解してもらい、意識の変化や行動に結びつけてもらうことが目的です。そのためには、興味をひくタイトルのつけ方や、人物の魅力を引き出す写真の構図、読みやすさや分かりやすさを重視したレイアウトなどの仕掛けが必要ですが、社内報の担当者は専門家ではないですし、内製の場合、外部にアドバイスを求めることもできません。
まわりの編集メンバーに制作が得意な方や長年経験されてきた方もいるかもしれませんが、属人的な部分で、社内報の質が担保できないというデメリットがあります。
社内報を「外注」するメリット、デメリット
<メリット>
〇社内報の質(クオリティ)を担保できる
社内報を「外注」する一番のメリットといえるでしょう。企画、撮影、取材・執筆、デザイン、印刷など、社内報の制作にはさまざまな専門工程があります。カメラマン、ライター、イラストレーター、デザイナーなど各分野の専門家に発注することで、社内報の誌面で伝えたい目的を、専門的な視点で表現し、最大限の効果を発揮することにつながります。
〇社内報の制作アドバイスがもらえる
誌面の外注先(たとえばデザイン会社、社内報制作の専門会社、印刷会社)では、さまざまな企業の社内報を制作していることが多いです。たとえば、目的に沿った社内報企画にはどんなものがあるか?対象者の魅力を引き出すポーズや、読者を惹きつける文章テクニック、トレンドをおさえたデザインにするためにはどうしたらよいか?など、他社事例なども踏まえて提案してくれることでしょう。
〇担当者の負担軽減
社内報を外注すると、社内のリソース(人材、時間、資源など)使用を減らし、編集メンバーの業務負担の軽減につながります。但し、すべてを任せることはできません。たとえば、書いてある内容に誤りはないか、選定した写真がOKか、誌面の内容として問題ないかなど、最終的な判断は企業側で行う必要があります。
<デメリット>
〇費用がかかる
企画、撮影、取材、デザイン、印刷など外注する場合、各工程で費用がかかります。
〇イメージ通りの誌面にならない可能性
たとえば、内容を理解されずにイメージと異なるデザインがあがってくることがあります。思い描くイメージを伝えるために、企画趣旨説明や共有資料の作成には十分時間をかけましょう。
外注先の選び方
社内報の外注先は、大きく5つに分類されます(ここでは一般的な特徴としてご紹介します)。
〇印刷会社
DTPオペレーターが制作を行います。フォーマット化されたデータ作成が得意。オペレーターの在席人数が多ければ、短納期での制作も期待できます。制作から印刷、納品までをまとめて依頼できます。
〇デザイン会社
DTPデザイナーを中心に制作します。社内報に限らずさまざまな制作物を作成しているので、枠にとらわれない魅力的なデザイン提案が期待できます。「冊子」型(雑誌やパンフレットなど)を得意とする会社を選ぶとよいでしょう。
〇社内報専門の制作会社
「社内報」に関する知識・ノウハウが豊富。カメラマン、ライター、デザイナーなどの専門スタッフをかかえ円滑な制作コントロールを行います。さまざまな会社の社内報事例を持ち、企業の状況に応じた社内報提案が期待できます。
〇HR系(人事系)会社
「人材」という観点で、組織の課題に有効な人事支援サービスの提案が期待できます(たとえば、人事制度の構築や従業員満足度調査、採用支援など)。社内報の制作は自社内あるいはデザイン会社と連携して行います。
〇フリーランス人材
デザイナー、カメラマン、ライター、イラストレーターなど専門領域に特化しています。得意ジャンルは一人ひとり異なるため、思い描くイメージを実現してくれそうな人に直接依頼することができます。
タイプの違う会社・フリーランス人材を選定し、見積りを取ってみるとよいでしょう。
外注先選びで大切なポイントは
・企業の状況にあわせて提案してくれるか
・イメージ通りに制作できそうか
・コスト(費用)が合うか
に加えて大事なことが
社内報担当者である皆さんと「相性がよいか」、という点です。
社内報は基本的に1回作ったら終わりという制作物ではありません。継続的にやりとりが発生するものなので、ともに喜び、ともに汗をかき、一緒に伴走してくれるような頼れるパートナーを探しましょう。