0章 社内報担当者のきほん

社内報担当者の役割は、会社の魅力を伝えること

POINT

  • 社内報担当者は、わかりやすい言葉に変換してあげる「翻訳者」
  • まわりへ意識を向けて「受信力」を高めよう
  • 「社内報を発行する」というゴールにむかって旗を振り続けよう

センパイ、わたし社内報づくりがんばります!

おっ、気合いが入ってきたわねー!頼んだわよ

はい!任せてください。

なので…取材と、撮影と、原稿作成と、デザインチェックお願いしてもいいですか?
あと編集会議も開いてもらって…?

そしたら、あなたはなにするの?

1.社内報担当者の役割ってなに?

ある社員が、言いました。

「社長がよく語っている“会社のビジョン”、自分の仕事とどう関係しているんだろう?」

また、別の社員は言いました。

「隣の部署?どんな仕事しているかわからないよ」

「最近入社したあの人?話す機会がないから知らないわ」

社内にはさまざまな「?」が飛び交っています。

社内報担当者の役割をひとことで表すならば、これらの「?」を、わかりやすい言葉に変換してあげる「翻訳者」のようなものです。

よい「翻訳者」になるために、まずは、社内報担当者のあなた自身が会社のことをよく知ることです。 たとえば、次のようなポイントについて、どのくらい答えられますか?

<チェックポイント>

●会社について

経営理念(意味も含めて)、創業・設立、事業内容、財務内容、

社会的評価、市場占有率、新規事業、行動指針など

●仕事について

事業部、部署、職種など 会社内に、どんな仕事があるか知っていますか?

●労働条件について

休日、勤務時間(拠点や部門によった違いは?)、福利厚生、研修制度など

●人について

社員数、社員の定着率、男女比率、平均年齢・年齢構成、研修制度、資格取得支援など

2.伝わる社内報にするための3つのポイント

●情報を取捨選択する

世の中には膨大な情報があふれていて、すべてをキャッチすることは至難の業。それは会社の中でも同じこと。
次々にアナウンスされる会社からの情報をどうとらえて、自分の行動に落とし込めばいいのか、迷っている社員も多いはず。そこで社内報担当者のあなたは、たとえば、情報の“重要度”と“優先度”という軸をつくって、大切なものを選び(同時に不要なものを捨てています)、社内報に掲載していきましょう。

●わかりやすく、やさしい言葉で

社内報の読者は、年代、性別、事業部、職種、勤務エリア、キャリア、役職の有無など、さまざまな点で違いがあります。それらを超えて社内報を読んでもらうためには、難しい言葉や専門用語を避け、なるべく多くの社員が理解できるわかりやすく、やさしい言葉で発信することを心がけましょう。

●テーマは狭く、深く絞る

読まれる社内報をめざすなら、広く浅く物事を伝える方向から、狭く、深くテーマを絞る方向をおすすめします。

会社のホームページを開いたら載っているリリースや、イントラに載っているご案内のような一次情報でもたとえば、その裏側にあるストーリー(ものがたり)を一緒に掲載してあげることで、オリジナルの企画に早変わりします。

3「受信力」を意識しよう

広報というと、なにかを“発信する”というイメージを持つかもしれませんが、実は“受信する”力こそが試されます。

「難しそう…」と思う方もいるかもしれませんが、大丈夫。

きっと、毎日過ごす中でなにかに興味を持ったり、疑問に思ったり、受信することを自然としているはずです。

たとえば、SNSで見かけた料理サイトをお気に入りに追加してみたり、
会社帰りに立ち寄った書店で読みたい本に巡り合ったり、

旅行先で素敵な景色を眺めたり。

社内で考えてみると、

「あの部署に最近、新しい人が入ってきたみたい」とか、
「社長のコラムに掲載されていた言葉が気になるわ」とか。

受信するアンテナの感度を高めるために、まわりへ意識を向けること。

視点や見方がぐっと広がります。

4あなたは、ひとりじゃない!

社内報を制作するために、社内・社外を含めて数多くの人と関わることになります。

たとえば

社内・・・編集メンバー、取材対象者、寄稿協力者

社外・・・ライター、カメラマン、デザイナー、イラストレーター、印刷会社 など

その中心となるあなたに求められることは、「社内報を発行する」というゴールまでの旗を振り続けることです。

●社内報を発行するまでに行う10のこと

1.掲載する企画を考える

2.原稿を整理する

3.スタッフを手配する

4.誌面に登場する人物を選ぶ

5.社員に寄稿を依頼する

6.取材する

7.撮影する

8.デザインをチェック(校正)する

9.全体の進行を管理する

10.社内報を発行する

関わるメンバーにそれぞれの役割を果たしてもらい、素敵な社内報をめざしていきましょう。

関係者と協力しながら1つずつ進めたら、きっと大丈夫!