5章 原稿執筆のきほん

読まれる文章を書くための簡単テクニック

POINT

  • 結論を先に書く、数字を使うなどの簡単なテクニックを用いれば
    読みやすい文章がつくれる

気合を入れて原稿を書いたのに、読者アンケートで票が伸びませんでした…

テーマはおもしろかったのに、残念ね。
読者に興味をもってもらうために、表現を工夫してみたら?

工夫かぁ~。
そうだ! ぜんぶ暗号にして、解読しながら読み進めるというのは?

いよいよ誰にも読まれないわね…

言いたいことが最初! “結論スタート”

原稿を書くのは、時間も労力もかかるとても大変な作業。
一生懸命作るからこそ、多くの読者に読んでもらいたいですよね。
ここでは、同じ内容の文章でも、切り口を変えることでわかりやすくなったり、読みやすくなったりする、簡単テクニックをご紹介します。
まず、ひとつめのテクニックです。

新入社員だったころ、
「メールでも報告書でも、ビジネス文書は、まず結論から書きましょう」
とアドバイスされたことはありませんか?
いわゆる小説的な起承転結ではなく、「結」を先に示すことで要点をスピーディーに伝え、誤解や見逃しを防ぐこともできます。

“結論スタート”で文章を組み立てると、次のようになります。
筆者にとって最も伝えたい要素である結論から始まり、そこに至る説明、補足情報、という優先順位で話題が移っていきます。

「最後の晩餐」は、ルネサンス期を代表する芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたフレスコ画の傑作です。
1452年にイタリアのヴィンチ村で生まれたレオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画をはじめ建築、音楽、数学、物理学、解剖学といった多方面に渡って才能を発揮しました。新約聖書の一場面を描いたこの作品は、マタイによる福音書第26章やヨハネによる福音書第13章等に記されている、イエス・キリストと12使徒による最後の晩餐を題材に描かれています。キリストを中心とする一点透視図法による奥行きのある空間と、表情や身振りなどの感情表現が豊かに描かれた登場人物とで、非常に生き生きとした画面になっています。
なお、ルネサンスとはフランス語で「復活」という意味で、14世紀にイタリアで始まった、古典時代の文化の復興運動のことです。

なになに?と先を読ませる“問いかけスタート”

最初に「これはいったい何でしょうか?」と疑問を提示することで興味を引き、読み進めさせていく構成です。
読者目線で、疑問を解決しながら進んでいくため、わかりやすく理解できるという利点もあります。

“問いかけスタート”の文章は、たとえば次のようになります。

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